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沖縄・なぜ「集団自決」が問題とされたのか

「武井誠 市民運動デイリーレポート」の一部記事について、その詳細報告を掲載しています。
このページは、2007年9月15日掲載デイリーレポート記事 "沖縄戦の歴史歪曲を許さない!全国集会" の詳細報告です。

沖縄戦の歴史歪曲を許さない!全国集会 以下、元記事。

夕方から、東京で開かれた「沖縄戦の歴史歪曲を許さない!全国集会」に行ってきました。

・署名がすでに527217筆集まっている。
・9月29日には沖縄で「教科書検定意見撤回を求める県民大会」が開催。
・5万人を越える集会参加者が予想されている。
・仲村県教育長が県立学校長の全員参加を呼びかけた(驚き!!)。
・石垣島でも、宮古島でも、同日数千人規模の集会が開かれる。
・検定は、文科省の教科書調査官の原案どおりに審議もなく通過。
こんな大きな動きが沖縄で起こっていることを知り、感動しました。

ちょうど、ある雑誌から「集団自決」について原稿を依頼されていました。一部分を、詳細版に載せさせていただきます。みなさんのご意見をお寄せください。

沖縄・なぜ「集団自決」が問題とされたのか

 中学校社会科の授業で、子どもたちと戦争や平和について考えるとき、広島、長崎とならんで、沖縄は、とても重要な教材だった。「つらい学習だけれど、見なければならないものをしっかり見つめる勇気を持とう」と子どもたちを励ましつつ、生き残られた住民の方々の手記を読んだ。沖縄を学ぶと、帝国主義戦争、あるいは軍隊というものの本質が鮮明に見えて来る。

 民衆を巻き込んだ戦争が、どのようなものであるか。
 じゃまだといって避難していたガマ(鍾乳洞)から日本軍に追いだされた沖縄の民衆。敵に見つかるという理由で毒殺される幼子。手榴弾を渡されて「集団自決」を強制される家族。そこに至るまでの軍国主義教育を含め、沖縄の人々は、アメリカ軍兵士だけでなく、友軍であるはずの日本軍の兵士によっても、虐殺された。
 つまり、軍隊が守ろうとするのは「国家権力」であって「国民」ではないということである。権力を持ったものによって戦争は引き起こされる。そして、権力者の意図した教育によって洗脳され、敵愾心をあおり立てられた民衆同士が命を奪い合う。受験問題集や、テレビのフリップなどでよく使われる「A国対B国の戦争」といった構図とは、ちがった戦争認識が生まれる。

 「国民の中に、そんな認識が広がってしまっては、非常に厄介だ。」「せっかく戦後レジーム脱却、憲法改正、『戦争のできる国づくり』に取りかかりはじめたのに。」「やっと教育基本法を改正したのに。」「未来の日本国民を『主権者』ではなく、戦争になったら進んで命を投げ出す『臣民』へと作りかえようとし始めたところなのに。」「『教育三法』も、教育委員会や私立学校に対する文科省の権限強化、学校組織の階層化、教員免許更新制度、道徳教育にも愛国心などの徳目の規定を盛り込んで、超スピードで成立させたんだから……」これが、現政権のホンネだと思う。

 沖縄県議会は6月22日、自民党を含む全会一致で、日本軍が住民に集団自決を強制したという記述を削除した教科書検定に対し、撤回を求める意見書を採択。当時8歳であった仲里利信議員(自民党)は「200人ほどの住民と壕に隠れていたところ、3人の日本兵が来て、泣き続けていた3歳の妹といとこに毒入りのおむすびを食べさせるようにせまった。敵に気づかれるのを恐れたためだった…」と、自らの体験を語ったそうだ。6月28日には沖縄県全市長村議会の意見書が出そろった。沖縄自民党の良心に敬意を表したい。
 しかし、この沖縄代表団に対して文科省は、大臣はもちろん次官でも局長でもない一審議官が冷淡に対応、「検定意見は撤回できない」とくり返すだけだった。このため県議会は、7月11日、同一会期中に異例とも言える2回目の意見書採択。しかし塩崎官房長官(当時)は、同日午後の記者会見で冷ややかに要求拒否の見解を表明した。身の震えるような怒りを覚える。

 文科省側は、日本軍の元守備隊長が「私は強制していない」と起こした裁判などを例に挙げ、軍の強制については真偽が分かれている、と説明する。仮に、この守備隊長の証言が事実だとしても、どうしてそれが沖縄全土で行われていた事実全体をひっくり返す根拠になるのだろうか。県議会・全市長村議会が意見書を採択したということがらの重さを、どう受けとめているのか。
 米議会での決議という深刻な事態を招いた「従軍慰安婦」問題もそうだったが、為政者が、自国の歴史を、自らの都合のいいようにねじ曲げるというのは、最もやってはならないことである。歴史修正主義によって失われる国際的信用は計り知れない。
 「事実に学ぶ」という原点を、確認しつつ、現場で苦闘する良心的教職員を支える取り組みが求められている。