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コミュニティ・ランチルーム構想とは
「武井誠 市民運動デイリーレポート」の一部記事について、その詳細報告を掲載しています。
このページは、2007年10月18日掲載のデイリーレポート記事の詳細報告です。
以下、元記事。
何はさておき、昨日の私の呼びかけに応えて、早速、学校給食を考える会のTさんが「コミュニティランチルーム」構想を送ってくださいました。ありがとうございます。まだ、ていねいには読んでいないのですが、たいへん興味深いプランです。部分的に実施している自治体もあるとのこと。「デイリーレポート詳細版」に掲載します。
※2005年2月5日、6日の第18回坂戸市消費生活展資料です。
コミュニティ・ランチルーム構想とは
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小学校区を単位とした、住んでいる地域で誰もが「安全に安心して暮らせるまちづくり」のこと。
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「医」「食」「住」「高齢化」「子育て」「福祉」「環境」「教育」…、人が生活していくうえでかかわる、全ての課題を考えます。
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多くの人が助け合いながら生きていく、「小さな自治」です。
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地域の中で誰もが楽しく生活できる場を、縦割り行政の枠を外し、市民と共につくりだしていく事が出来ます。
1.食
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誰もが歩いて行く事が出来る範囲の公共施設である「小学校」に、市直営の単独調理方式の「コミュニティ・ランチルーム」を設置します。経済効率主義ではなく安全性に心がけ、希望する一人ひとりに対応出来る公共食堂です。
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学校給食として利用すると同時に、地域に開放します。一日3食、希望する全ての人が利用出来るようにします。
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寝たきりの人でも車椅子での移動が可能であれば、人の手を借りて通います。独り暮らしの人や、通って来られない人など、必要に応じて配食サービスもします。
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漆器や陶磁器・木製の器など、日常当たり前に使っている本物の食器を使用します。洗浄は湯と石けんで。
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残菜は「ゼロ」が基本です。前処理の野菜くずや、やむを得ず残った残菜は堆肥化し、校内菜園や地域の田畑で利用します。農家の方はもちろん、子どもたちや高齢者も含めた地域の人々の「野菜作り」「花作り」に活用します。出来た野菜は給食の食材として利用することも出来ます。
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残菜を出さない様、栄養士・調理士・食べる人がカフェテリア方式等を導入して工夫していきます。
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栄養士さんは複数配置し、子どもたちの献立を作る人、高齢者の献立を作る人、医療ネットとも連携し、ランチルームを利用する人の毎日の献立を担当します。
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複数の栄養士さんの協力により、行事食・伝統食・郷土食・季節料理等々、食文化の継承や食教育の担い手として、子どもたちや、地域の「食」を守ります。
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懐石料理・精進料理・テーブルマナー等々を体験したり、医食同源・身土不仁と言った「食べることと生きること」の大切さを学ぶことが出来ます。
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食材の安全性に配慮し、添加物・農薬・放射能・遺伝子組み換え等々への関心を高め、安心出来る食材を選択します。地域の魚屋さん・八百屋さん・パン屋さん・豆腐屋さん等などから。
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食材の生産・流通・調理・消費・廃棄までを学びます。
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地域に住む他国籍の人の料理も取り入れ、日常的に国際交流を図ることが出来ます。
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調理士さんはきめ細やかな対応をする為に、ゆとりある人数を配置します。二交代・三交代制で一人当たりの調理食数を減らします。調理士学校を卒業した若い人や定年退職した料理好きな人も採用し、栄養士さんや地域の生活者も含めて、共同で「食作り」を担います。
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ランチルームの配膳・配食・後片付け等を分担。食材である農産物の栽培・収穫・配送・堆肥作り等々、地域の農業振興や商業振興にもつなげて、雇用の場としても可能な仕組みを考えます。
2.医
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小学校区内の住民を対象として、「24時間総合医療緊急対応生活支援システム」で、その地域のネットワークを作ります。本人が選べる事が基本ですが、必要に応じた医療機関への紹介、例えば、喘息発作にはどういう処置をするといった事が直ぐ分かるよう、医療機関と連携することが出来ます。
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「24時間総合生活支援センター」も兼ねており、介護士・看護士・栄養士・カウンセラー等を配置。各種病院(個人・中規模・大規模・高度医療施設等)とも連携し、地域住民の健康を守る拠点となります。同様に防災・震災・防犯の拠点にも。
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70歳以上の人は登録し、医療のネットワークの支援を受けます。在宅介護も含めた支援システムは緊急呼び出しベルや電話機等を設置して対応し、「孤独死」などの悲劇を未然に防ぎます。
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「医食同源」の示す通り、病気になってから治療を、と言う前に、病気にならない様、日頃から食事や運動等に気をつけます。身体のリハビリや年齢層を超えた人との交流も心がけることが出来ます。
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遠くに立派な施設(リハビリセンター・特別養護老人ホーム・老人病院等)を作るのでは無く、歩いて行ける範囲を基本とします。今ある施設を20年30年先を見越して、充分活用出来るよう、改築・改装する事で無駄な税金を使わずに済みます。
3.住
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小学校の余裕教室を地域に開放します。「24時間総合生活支援センター」には公共の公民館・保育所・学童保育室・デイケアセンター・ショートステェ・リハビリセンター・作業所等々を設置します。もっと余裕があれば、グループホームの施設も。遠くに立派な施設を作るのでは無く、歩いて行く事が出来る範囲の、今ある施設を地域の共有財産として、有効に活用します。
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これから新築する家・施設は全て車椅子での移動が可能な設計を義務付けます。市内全ての道路を改修、車椅子で通る事が出来るようにします。駅等の公共施設は「エレベーター」の設置をします。「エスカレーター」は配慮を欠く設備です。
4.高齢化
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少子高齢化に対応する為に、小学校区を一つの単位とします。誰もが寝たきりにならない・しない・させない生活が出来る様、地域で助け合います。特別に何かをしなくてはいけない、というシステムでは無く、誰もが気軽に助け合える仕組みを作ります。
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全ての公共施設は「エレベーター」を設置。小さな子どもでも指一本で車椅子の方の乗降をお手伝い出来ます。
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お一人でお住まいの方にも、家の中で閉じこもらず、好きな時に何時でも必要な手を差し伸べられる仕組みを作ります。「24時間総合医療緊急対応生活支援センター」の中には多様な人々との交流や、自分が住んでいる地域で楽しく生きられる場・仕事をして収入が得られる場・趣味や生き甲斐も見つけられる場を、歩いて行く事が出来る範囲に作ります。
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小学校の体育館・プール・調理室・家庭科室・視聴覚室・美術室・音楽室・図書室・理科室等々を地域に開放します。高齢者のリハビリ施設として利用するだけでなく、生涯学習や保育所や学童保育室等の機能も持たせ、地域の子育て支援も高齢者と共に出来るシステムにします。
5.子育て
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余裕教室は「子育て支援」の拠点となります。高齢者からの情報は若い親たちの安心につながり、年齢層を超えた交流でお互いに支え合う事が出来ます。
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学童保育・保育室等の設置と高齢者との交流・お手伝い等で、働く親が地域の中で安心して「子育て」が出来る仕組みとします。
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通学路には小学校に通う地域の大人がいます。学校内にも多くの大人の目があり、広い校内の「死角」を無くす事が出来ます。地域で子どもたちの安全を守る仕組みが当たり前に出来るようにします。鍵をかける、防犯カメラを設置する、防犯パトロールをする、と言った方法ではなく、日常が子どもたちを見守る仕組みです。
6.福祉
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地域全体が車椅子での移動が出来るまちにします。どの建物も「ユニバーサルデザイン」を取り入れ、何処でも、誰でも、当たり前に生活が出来るまちにします。
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障がい児・者も地域で生活出来る場をつくります。学校は全て「統合教育」として、「コミュニティ・ランチルーム構想」は障がい者の雇用の場としての機能も持たせます。
7.環境
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次の世代のことを考えた生活を誰もが日常的に出来る仕組みとします。水・土・空気を汚さず、環境に負荷を与えない生き方を、地域の大人も子どもも共に学びます。
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「資源」や「ごみ」の分別、省エネルギー、「地産地消」等地域全体で無理なく、楽しく出来る仕組みにします。
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雨水利用・太陽光発電・小型風力発電・バイオマス。一つの小学校が環境の拠点となります。四季折々の花と木々に囲まれた地域の憩いの場にします。
8.教育
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全ての公立小・中学校を「統合教育」にします。地域に住む子どもたち皆が共に学校生活を送れるようにします。その為に必要な介護士・専門教師・補助教員等々の配置で、支えていく仕組みを作ります。国籍の違う子ども・障がい児・地域に住む全ての子どもたちが安心して、楽しく学べる場とします。
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学校内の様々な施設は地域に開放します。難燃性の強化プラスチックで外からは中の様子が見える防音装置・音響装置付きの音楽室は若い世代にも利用し易い貴重な場とします。
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